フリーのルポライター・池山は、娘のはるかが幼い頃に妻を亡くして以来、男手ひとつで育ててきた。はるかも20歳を迎え、娘の成長を喜ぶのと同時に、余所の男に奪われる日がいつか来るのかと悶々とした感情で過ごしていた。 ある日、池山は新しい編集者・近藤と初顔合わせする。「ウワサの美人ママ特集」というベタな企画に落胆しながらも、真面目な近藤の熱意に応え、彼と共にネタ拾いに出掛ける。 近藤に連れ回され店をめぐるが、どこにもピンと来る相手はいない。酒に強くない近藤はすでに限界だったが、そんな矢先に見つけた一軒のスナック。そこには探し求めた美人ママ・萌がいた。警戒を解きながら、やがて本題のネタ協力を申し出ると、萌は所々で会話を濁す。その一方で、ホステス・佑香と神木を深める近藤。取材に見切りをつけ、池山は店を後にした。近藤は佑香と意気投合し、彼女の部屋でベッドを共にした。 夜道で背後に気配を感じ、萌が振り返る。だが、素早く身を隠され相手を確認することはできない。1ヶ月程前から続くこの現象に萌は怯えていた。 ある朝、はるかは日曜に大事な話があるから空けて欲しいと言う。いよいよその日が来たかと憂鬱な気分になる池山…
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